「好きなことを仕事にすれば良い」
あなたはこんな言葉を聞いたことはないでしょうか?
2017/18年と、男子小中学生のなりたい職業ランキングトップ10に君臨した「YouTuber」
HIKAKINさんやヒカルさんようになりたくて、YouTubeを始めた人もたくさんいることでしょう
彼らのように好きなことをしてお金を稼ぎ、自由な生活を望んでいた若者たちは今、Instagramやライブ配信へと移行しています
では30代やそれ以上の人たちは?というと、フォロワーの多い子たちを捕まえ、自分のビジネスに活かす。といったところが妥当でしょうか
もちろん、年齢構わずチャレンジしている人もいます
でも、今から「好きなこと」をして成功する、ゼロからチャレンジするというのは、若者には勝てないし正直言って厳しい
既に知名度のある人なんて、まず太刀打ちできませんからね
そして趣味なんて稼げないと、多くの大人たちは思ってますから
「好きなこと」を仕事にするのは今に始まったことじゃない
「好きなこと」を仕事にするのは、果たして最近の流行りなのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません
好きなことを仕事にした方が良いというのは、別に今に始まったことではなく、働き方改革あたりから耳にするようになり、今は流行りの現象が起きているだけだと、個人的には思います
熱中できるほど好きなことであれば、より専門的な知識をつけようと、前向きに、自発的に学ぶようになるし、それが仕事として、食べていけるツールへと発展するのは、いつの時代も「個人の器量次第」です
元シアトルマリナーズのイチローさんは、日米通算25年目のシーズンを迎えた時に、「今のマイブームは野球。野球ほど深く考え、長い時間情熱を傾けられるものはない」と話していました
彼のようなモチベーションを保つこと自体も極めて異例ですが、野球が好きで、その気持ちは変わらないから、ずっと情熱を捧げることができるのだと思います
「好きなこと」に四六時中向き合っていれば、自ずと仕事になるのです
副業に力を入れるあまり、メインの仕事を片手間にしがちになる
ひと昔前は、サイドビジネスなんて言葉が流行りましたが、副業に対する意識は、個人から企業へと移り変わりました
残業をさせない、ノルマを与えない、有給は消化させる、そして副業をしても良いと、どれも身近に感じるようになりました
表向きは人を大事にすると言ってますが、実際のところは人手不足による離職を避けるために、社員に頭が上がらなくなっている、というのが企業の本音です
実際に自分の時間が増えた分、副業やバイトをしている人が、私の周りにもたくさんいます
定時に上がり副業をがんばっているようですが、みな時間と労力をかける割には日銭を稼ぐ程度で、大した収入になっていません
副業とはいえ、拘束時間が決まっていて、収入が増えなければバイトしているのと同じ
本業はそっちのけでお金にならない副業ばかり
果たしてその人の10年後はどうなっているでしょうか
好きなことをして稼ぐ=楽して稼ぐ、と勘違いしている
大してお金にならなくとも長く続けられているなら、将来稼げる可能性は十分あります
継続する、ということは本当に難しいもので、私自身も20代の頃は何ひとつ続けられるものがなく、楽して稼げることばかり模索していました
結論から述べると、楽して稼げることなんて一つもありません
結果を出している人は、好きだからやれるし、楽しいから続けられる訳で、その過程でたくさん苦労もしてるし、ちょっとやそっとの挫折で諦めたりはしません
楽して稼ごうとする人は、必ずと言っていいほど早い段階で挫折します
例えば英会話なんて良い例です
英会話教室に通ったからと言って、すぐに話せるようになんてなりません
英会話を終えたら内容を復習し、アウトプット(実践)する機会を作る
もちろん予習も必須です
これらをコツコツと繰り替えさない限り、100%話せるようになれません
私は何度も英語で挫折を味わいましたが、最終的にはモチベーションやポテンシャルの問題であることに気付きました
「話せないなりに話さないとダメ」
「日頃から話さないと身につかない」
一向に上達しないのはきっと理由があると、ものすごく考え、悩み、模索した結果がこれだったのです
私は、多くの人がぶつかる「英語が話せない」という境界線は、ここにしかないと思っています
好きなことであれば、吸収するスピードも、記憶力も、そして行動力も全て、何倍にもなります
その過程ではいくつもの壁が待っているし、当然のように挫折も味わいます
お金を稼ぐのもそう
決して「楽して稼ぐ」なんて、どこを探しても見つからないのです
実際のところ「好きなこと」を仕事にするのは難しい
イチローさんのように「好きだから」という理由を超え、寝ても覚めても情熱を注げるほどのレベルになるのは、誰にでも可能性はあるとしても、そうなれるという保証はどこにもありません
「美味しいご飯を食べる、山登りをする、全国各地にあるローカル線の写真を撮る」
どれもこれも個人の趣味であり、それを仕事として食べている人はひと握り
好きなお笑い芸人や、映画やドラマに引っ張りだこのタレントなど、よく目にする芸能人は、芸能界の中でもごく僅かでしかありません
だから、好きなことを仕事にするのは、そう簡単な話じゃない
見た目やセンスは別として、みんなスタートは一緒
なのに、途中で挫折して行く人間は山ほどいます
「いかにモチベーションをコントロールできるか?」
「高いパフォーマンスを出し続けられるか?」
情熱を持って好きなことに取り組んでいる人達からは、このようなマンパワーを感じます
単なる趣味では人に与える影響力も無いし、ビジネスとして成り立つ訳がありません
お金という欲に負けて興味が無くなることも
少しずつ収入を得られるようになると、来月はいくら稼ごう、年内でこれだけ頑張ろうと、具体的な数字や目標を掲げるようになります
しかし収入が増えれば増えるほど「稼ぐ」気持ちが強くなるので、本来の「好きなこと」という意識は薄れていくのです
お金というものは本当に怖いもの
残念ながらいくら得ても、「もう要らない」なんてことにはなりません
では、得たお金によって、自分はどのように欲を満たしていくのでしょうか?
「欲しかったIoTウォーターサーバーを買う」
「古くなったスマホや財布の買い換えにあてる」
「少しリッチな海外旅行をする」
またはお金を使わないよう、コツコツと毎月貯金をするとか、投資も兼ねて外資系の保険に入るなど、消費目的では無いとしても、お金のことを考える時間が増えるはずです
だから好きで始めたことが、いつの間にかお金を得るためのツールとなり、お金を得られ無くなると興味が無くなったり、嫌いになってしまうこともあります
私はこうして記事を書き、いくつかサイトを運営して収益を得ています
始めた当初は書くことが楽しくて、毎日ネタを集めたり、暇な時間に下書きをしたり、ライティングを勉強したり、人から教えてもらったり、四六時中ブログというものにのめり込んでいました
アクセスが増えると共に収益も伸びます
しかしその後伸び悩み、書くことが億劫になった時期もありました
その時私は、「何のために記事を書いているのか?」「誰に向けて発信したいのか?」と我に返り、お金の為ではなく、好きなことだからやっているんだろう?と自分に問いかけたのです
「好きこそ物の上手なれ」という言葉を身をもって知ることができた、とても良い経験です
via. Books&Apps